
はじめに

デリヘルは、風営法上の「無店舗型性風俗特殊営業」に該当し、営業を始める前に公安委員会への届出が必要です。要件を満たし必要書類を揃えなければ受理されず、無届で営業すれば罰則の対象となります。
届出そのものよりも「物件が事務所として使えるか」「必要書類の準備」でつまずくケースが多く、想定より開業に時間がかかることも少なくありません。
本記事では、デリヘル開業にの届出手続きの流れと必要書類、営業開始までの日数の目安、事前に押さえるべき注意点を、行政書士の視点から解説します。
デリヘルは風営法上の無店舗型性風俗特殊営業

デリヘル(デリバリーヘルス)は、風営法上「無店舗型性風俗特殊営業(1号)」に該当する業態です。
営業を始めるには、営業開始日の10日前までに「営業開始届出書」を提出しなければなりません。この10日という日数は法令上の期限であり、届出が受理された日から起算して10日を経過しないと営業を開始できないため、逆算してスケジュールを組む必要があります。
提出先は、事務所の所在地を管轄する警察署の生活安全課です。
なぜ届出が必要なのか

デリヘルの届出は「許可」ではなく「届出」であるため、営業開始までにかかる日数は許可に比べて比較的短いですが、書類審査や要件については厳しく審査がおこなわれますので、綿密な書類作成が必要です。
無届で無店舗型性風俗特殊営業を営んだ場合、6か月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金、又はその両方が科される可能性があります。届出書に虚偽の記載をして提出した場合も、同様に罰則の対象です。
デリヘル開業に必要な届出書類一覧

デリヘルの届出には、開始届出書の他に添付書類が必要です。書類の準備は開業スケジュールの中でも時間がかかりやすい工程なので、早めに着手しておくことをおすすめします。
共通して必要な書類(個人・法人共通)
- 営業開始届出書:営業者の氏名、事務所の所在地、営業の種別などを記載する中心的な書類
- 営業の方法:営業の内容を具体的に記載した書類
- 事務所・待機所の周辺の略図:位置関係がわかる地図
- 事務所・待機所の平面図:内部の間取りを示す図面
- 事務所の使用権限を疎明する書類:自己所有なら登記事項証明書、賃貸なら賃貸借契約書の写しや使用承諾書
個人で届出する場合に追加で必要な書類
- 住民票:本人分(本籍または国籍が記載され、マイナンバーの記載がないもの)
法人で届出する場合に追加で必要な書類
- 登記事項証明書:事業目的に「無店舗型性風俗特殊営業」の記載が必要
- 定款:同じく事業目的に「無店舗型性風俗特殊営業」の記載が必要
- 住民票:役員全員分(本籍または国籍が記載され、マイナンバーの記載がないもの)
※定款・登記簿の事業目的に無店舗型性風俗特殊営業に関する記載が必要です。
上記の書類は、届出に必要な基本的な書類です。警察署ごとに他の添付書類が必要ですので、事前に確認が必要です。
届出手続きの流れと日数

■届出手続きの流れ
①事務所・待機所物件の契約
空き状況やタイミング次第では、何カ月も見つからないこともあるので、早めの段階から物件探しを行いましょう。
②必要書類集め
平日の日中に役所で、デリヘルの届出に必要な添付書類を集めます。
③警察署での事前相談
管轄の警察署で、営業や添付書類等について事前に相談を行います。
④届出書類の作成
必要な書類が集まったら、その書類をもとに届出申請書の作成を行います。
⑤警察署での届出手続き
届出日の予約をして、警察署への届出の申請を行います。
⑥警察署で届出確認書の受領
届出をしてから、1週間~3週間程で届出確認書が発行されます。
物件探しから届出確認書の受領まで、何カ月もかかることも珍しくありません。なるべく早めにデリヘルを開業をするなら専門家にご相談ください。
開業をスムーズに進めるなら

デリヘルの開業には物件探し、書類収集、警察署への届出といった一連の手続きが必要で、準備には相応の時間と手間がかかります。これら自力で進めるのが基本ですが、選択肢はそれだけではありません。開業の負担を抑える方法として、フランチャイズ(FC)への加盟という方法もあります。
自力での開業は、加盟金やロイヤリティといった費用がかからず、屋号や運営方針を自分の裁量で自由に決められるのが魅力です。一方で、集客の仕組みづくりやスタッフの募集、トラブル対応まで、すべてを自分で組み立てていく必要があり、軌道に乗せるまでに時間がかかることも少なくありません。
これに対してFC加盟は、加盟金やロイヤリティが発生する代わりに、すでに確立された集客ノウハウや運営マニュアル、ブランド力を活用できるのが強みです。特に初めて開業する方にとっては、何をどの順番で進めればよいかが明確で、開業までの立ち上がりがスムーズになりやすいというメリットがあります。
どちらが適しているかは、自己資金や経験、どこまで自分でコントロールしたいかによって変わります。自力開業とFC加盟のどちらにもメリットとデメリットがあるため、両者を正しく理解したうえで判断することが大切です。
FC加盟を検討する場合は、加盟前に確認しておくべきポイントがいくつかあります。詳しくは「デリヘルFC加盟前に確認すべきチェックポイント【行政書士解説】」もあわせてご覧ください。
まとめ

実際につまずきやすいのは、届出そのものよりも手前の準備段階です。
物件がなかなか決まらない、書類集めに時間がかかるなど、物件探しから届出確認書の受領まで数か月かかることも珍しくありません。早めに動き、逆算してスケジュールを組むことがスムーズな開業への近道です。
手続きに不安がある方や、確実に開業したい方は、風営法の届出に精通した当事務所までお気軽にご相談ください!
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